メタボリックシンドローム

「メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)」という言葉はもちろんご存じでしょうが、意外に自分だけは違うと思っている人が多いようです。もう一度チェックして見ましょう。

中高年がかかりやすい生活習慣病である「糖尿病」「高血圧症」「高脂血症」は、それぞれ単独でもやっかいな病気ですが、これらの病気が重複すると動脈硬化を促進し、さらには致命的な心筋梗塞や脳梗塞などを起こしやすいことが分かっています。

最近、これらの病気を起こすおおもとに、糖代謝や脂質代謝などさまざまな代謝異常があることがわかってきました。このため、こうしたリスクが重なって存在する病態を「メタボリックシンドローム」と呼んでいます。

メタボリックシンドローム(メタボ)は糖尿病、高血圧、動脈硬化がいっしょに進行する病気です。

メタボリックの基準は次のとおりです。

☆メタボリックシンドロームのチェックリスト

メタボリックシンドロームの人は、糖尿病を発症するリスクは通常の7〜9倍。心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクは約3倍にもなるといわれています。

メタボ対策として、最も効果的なものが食事を見直すことです。メタボリックシンドロームの人には、脂質や糖質を抑えた食事が好ましいのですが、一般的な調理方法で作る料理には気づかないうちに油が使われていることが多くあります。カレーライスや筑前煮などにも意外と多く使われていたりします。メタボ対策として調理する場合、油を使うところを「茹でる」「蒸す」などの調理方法に変えて作ると脂質が少ないメタボ予防食を作ることが出来ます。

それからメタボリックシンドロームを考える場合、食事と同様に気を遣う必要があるのは運動です。食事ダイエットだけでメタボリックシンドロームをやっつけようと考えてしまうと、筋肉まで落ちてしまうことになります。
 また、内臓脂肪は皮下脂肪と比較しても、運動や体操を行うことによって落としやすい脂肪です。内臓脂肪は体のエネルギー消費に敏感に反応しますから、メタボリックシンドロームに運動が効果的なのです。

体のエネルギー消費は最初、血液中の糖分、次に筋肉などのグリコーゲンから消費します。最後に消費されるのが中性脂肪という順番になります。ですので、短距離走や重量あげなど瞬発力を競う体操や運動ではメタボリックシンドローム対策ではもちろん、健康面を考えてもあまり効果が期待できません。

メタボリックシンドローム対策を考えて行う運動や体操は、長い時間を使って、脂肪を燃焼させるための酸素を充分に取り込むことができる、ウォーキングに代表されるような有酸素運動を行うことが効果的です。

さて、2008年4月よりメタボ検診が義務化されました。メタボリックシンドロームと診断された場合、医療機関からの生活指導があります。もしその生活習慣の改善指導で成果が無いと、国民健康保険などを運営する市区町村や実施する責任と義務を負う組合健保や共済組合、企業の医療保険者を対象に国から財務的なペナルティが課されられることになります。ペナルティの開始は5年後の平成25年。後期高齢者医療制度の支援金が10%の範囲で国から増減させられるようになります。

このことで心配されるのが、昇進・昇給、さらには就職では?といわれています。企業にとって、ペナルティとなる可能性がある人物より、その心配のない人物のほうがメリットはあります。健康的な生活を是非心がけたいものです。

Y・T
この記事に関するご意見
ご感想はコチラ