鷹の爪
鷹の爪
第28号 2013年 01月30日
平野武文税理士事務所 発行

http://www.office-hirano.com/
今月の目次

はじめに

早いもので、昭和から平成へ変わって25年目の年となりました。あっという間に思えます。向こう3ヶ月の天気予報によると今年は春の訪れが遅いそうですが、景気のほうは、上向きの期待のようです。私共も春に芽吹く草花のように、元気を出して邁進して参りたいと存じます。
2013年最初の『鷹の爪』よろしくお願いいたします。


よみとく
平成25年1月からの改正
 
 所得税の増税

復興特別所得税の創設により、所得税の税率が現行税率にプラス2.1%となります。
改正後の税率による所得税の申告は、平成25年分の所得(平成26年3月申告分)のため、まだ少し先の話になります。
 しかし、給与や個人事業者の報酬に係る源泉所得税は、平成25年1月より、改正後の税率により預かって納付することになります。
 そのため、平成25年1月より、以下のような変更点があります。

  1. 源泉徴収税額表が新しいものに変わります。
    給与計算を行う場合には注意が必要です。
  2. 個人事業者(外注の方・税理士・司法書士等)の源泉所得税率が、
    10%から10.21%に変わります。

例 報酬総額51,500円(消費税込み)の場合

改正前 預り源泉税 50,000円×10%=5,000円
支払い金額 51,500円−5,000円=46,500円
改正後 預り源泉税 50,000円×10.21%=5,105円
支払い金額 51,500円−5,105円=46,395円

 給与所得控除の上限設定

給与所得者(役員報酬を含む)の所得税の金額は、(給与−給与所得控除)×所得税率によって計算されます。
 改正前の制度では、給与が多ければ多い程、給与所得控除の金額も多くなっていました。
 しかし、平成25年分の給与(平成26年3月申告分)からは、年収1,500万円を超える給与所得者については、給与所得控除の金額は一律245万円となります。
 つまり、サラリーマンの必要経費である給与所得控除額に一定の限度が設けられたということで、高額所得者については、増税になります。

ご質問、お問合せはコチラから
メール

 

「八重の桜」と今

明けて2013年も恒例の初詣に行き、無病息災その他かれこれ都合の良い祈願も わずかばかりのお賽銭ではご利益も薄いものと思いつつも、殊勝に柏手を打ってまいりました。 はたして今年の行く末はどうなるのでしょう。

ところで、NHKの大河ドラマ、「八重の桜」が始まりました。会津若松(現在の福島県)に生まれ育ち、 女性ながら砲術を学び、戊辰戦争を洋式銃で戦いぬき、のちに、同志社大学創始者、新島襄(にいじまじょう)の妻となった、 八重の生涯とその時代が描かれるようです。
今年の“大河ドラマ”はどうだろうかと、特に昨年の「平清盛」の視聴率が低かったこともあってか、 関心が持たれているようです。また、八重の故郷、福島県は、震災からの復興に向けて、日々戦いの状況にあり、 当時の日本の変動期を重ね合わせている方もおられることでしょう。

八重が生まれたのは、1845年で、明治維新(1868年)の23年前、幕末と言われる時代で、長州藩(現在の山口県)の吉田松陰(1830年誕)が15歳、 薩摩藩(現在の鹿児島県)の西郷隆盛(1827年誕)が18歳の頃です。

吉田松陰は、安政元年(1854年)にペリーが日米和親条約締結の為に再来航した際に、 伊豆下田港に停泊中のポーハタン号へ赴き、乗船して渡航を企てましたが、 失敗し投獄されたことはよく知られていますが、当時の日本は鎖国をしており、密航は死罪という時代でありました。
それは、まさに命がけであり無謀極まりないことで、通常では考えられもしない時代であったのです。
と同時に、いくらお転婆であったにしろ女だてらに戦場に出て、男にまじって鉄砲を撃つなど想像もできない時代でした。
止むに止まれぬ、内から湧き上がる思いに突き動かされての行動であったのだと思うのです。

元寇、黒船、そして大東亜戦争と、日本の国難があり、幾多の事変を経て今がありますが、 亜細亜の中の極めて小さな島国日本が今日あるのは奇跡に近いのかもしれません。

そして現在、日本は、中華人民共和国・大韓民国・朝鮮民主主義共和国そしてロシアと、取巻く隣国との間に軋轢、 問題をかかえています。しかし、多くの日本人は為政者に責任を押し付けるばかりで、 他人事のようですし、日本のために、何をどうすべきか考えあぐねているように思えます。

第二次大戦後、復興を成し遂げ繁栄を築いた日本が、かげりをみせ、世界の中で勢いを失い、 隣国からも軽く扱われるのを甘受するだけでいいのでしょうか。

今こそ、激動の幕末から明治への劇的な転換期に有為の先人、若者たちがいたという間違いのない事実を思い起こし、 同じ日本人として、現代の私たちに打開できないはずはないと、確信し、自信を持って行動すべきだっ!と声高に言いたくなります。

2013年の新春の、成人式に集い談笑する若者たちを見ながら、彼らも「八重の桜」を見るのだろうか、 とふと思い、首を振って、わが身にかえりながら、「ならぬことはならぬものです」か、などとつぶやき、できることをすることから始めようと思った年始でした。

K・N



テリマカシ (テリマカシとはインドネシア語で「ありがとう」という意味です。)

こどもだけではないノロウイルス感染症

ここ数年、頻繁に耳にするようになった「ノロウイルス」ですが、小学校や保育園・幼稚園で流行するという報道からも、主に子供がかかりやすいウイルスというイメージでした。
 しかし、“変異株”も現れ、大人も発症することが認知され、この突然変異の新種には大人も免疫がないため、健康な人でも胃腸炎を発症し、重症に至る危険があるといわれています。
 また、人から人への感染力が非常に強いため、予防をおろそかにし、感染してしまうと、家族全員が寝込むことになったり、職場で大流行させてしまう恐れがあります。
特効薬がありませんので、正しい知識で、しっかりと予防と対策を行いましょう。


主な症状として、突発的な激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、悪寒、38℃程度の発熱があります。
感染経路としては、飲食物、水道水、または井戸水などからの感染、感染者の糞便や吐瀉物の接触による感染、またはその飛沫による空気感染等です。
一般的に、感染症の予防として有名なアルコール消毒ですが、実はノロウイルスには効果がありません。勿論、風邪等には正しく行えば効果はありますので、しないで良い、というわけではないと思います。
 ではどのようにして予防を行えば良いのでしょうか。
ノロウイルスの予防に於いて、最も重要なものは「手洗い」です。
水やお湯の流水で手洗いを15秒以上、可能ならば30秒以上おこないましょう。石けんを使うとさらに効果的で、流水で洗う時間を長くとることが大切です。
食べるものに関しては、火を通すことが必要な食品は、ノロウィルスを死滅させるため、85度で1分以上加熱すること、また、調理台や調理器具を清潔に保つことが重要です。

しかし、もし自身の回りで感染者がでた場合、どのように感染拡大を防ぐことができるのでしょうか。
まず、感染者が使用したものや嘔吐物が付着したものは、他の物と分けて洗浄・消毒を行いますが、感染しないように使い捨てマスクやエプロン、手袋を着用します。
洗濯の際は85度以上のお湯で熱湯洗濯をおこないましょう。
家庭用の塩素系漂白液を水で薄め、消毒に使う塩素液をつくり、患者の使用した食器などは食後すぐに、塩素液に漬けてから洗浄します。
患者が触れたドアノブなども塩素液で拭き取るようにします。
そして、家族を含め自身が罹ってしまったら、症状持続期間は比較的短いため、最も重要なことは水分補給をして、脱水症となることを防ぐことです。
ノロウイルスにかかると、発熱、下痢、嘔吐などの症状が脱水をおこし、その症状が進むと血液の粘度が高くなり、血管が詰まり脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞を引き起こす要因になります。
また、下痢や嘔吐は、単に体の水分を失うのではなく、胃液や腸液などの体液を放出するものですので、水分とともにナトリウムやカリウムなどの電解質も喪失してしまいます。
水を補うだけでは失われた電解質を取り戻すことができません。
脱水症状対策としては、体液と同様の成分を持つ「ブドウ糖」「水」「ナトリウム」を含む「経口補水液」を補うことが有効です。
 では、経口補水液とはどんな“飲料水”なのでしょう。
体に必要な、糖分・塩分・水分を摂取するもので、震災の際にも被災地での栄養補給として注目されました。
あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、実は昔から私たち日本人には馴染みのあるものです。病気の時に食べる「おかゆ」は、お米(糖分)・梅干(塩分)が入っており、伝統的かつ立派な経口補水液なのです。
一般に経口補水液は簡単に購入できるものですが、“おかゆ”でなくても家庭で簡単に作ることができます。
その材料は、

  • 砂糖20〜40グラム
  • 塩3グラム
  • 水1リットル
  • レモン汁適量
 これらを合わせるだけでおいしく飲める経口補水液のできあがりです。
ノロウイルス感染症は、11〜3月の発症が最も多いと言われています。
これから、年度末にかけて仕事は忙しく、冬の寒さも厳しい時期です。
自身が罹り、感染が広がると仕事に支障が出てしまいます。
 ひとりひとりが十分に留意したいものです。

M・G


ライン

おわりに
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
そろそろ、所得税・贈与税の確定申告の時期が参ります。早めにご準備等よろしくお願いいたします。また、その件に関しまして、ご質問等ございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

ご意見、ご感想、ご要望ございましたら、どんなことでも構いません。ぜひお聞かせ下さい。
(こちらからどうぞ  melmaga@office-hirano.com
また、当所のホームページにはメールマガジンのバックナンバーを全て掲載している他、経営支援サイトなどもございますので、是非ご覧下さい。
(こちらからどうぞ  http://www.office-hirano.com/

⇒ひらの税理士事務所TOPページへ
⇒親から子へのメッセージ
⇒バックナンバー一覧
⇒ご意見・ご感想
⇒登録情報変更
⇒購読解除・退会
⇒知人へ紹介する
テリカマシー