ひらの税理士事務所

無料相談

 当所では、相続全般に関する無料相談を実施しております。 相続が開始された方、いざという時の相続対策を検討されたい方、資産の有効活用、事業承継の相談も承ります。 守秘義務は徹底しておりますのでご安心下さい。
 相談方法は、ご来所いただける方に限ります。事前にご予約いただけるとスムーズに対応できますので、下記項目を明記の上メールかFAX送信いただくか、お電話いただければ幸いです。

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なお、相続税と贈与税に関する一般的なQ&Aを下記のとおり掲載しております。ご参考にして下さい。
                                        
【相続税質問一覧】
【贈与税質問一覧】
Q: 身内がなくなりました。
相続税を申告しなければならない人とは、どのような人ですか?
A: 相続税又は遺贈により被相続人(死亡した人のこと)から財産を取得した人の課税価格の合計が基礎控除額を超える場合には、その財産の取得者は課税されますので、申告しなければなりません(正味の遺産額が遺産に係る基礎控除額以下であれば相続税はかかりません)。
[遺産総額−債務・葬式費用−非課税財産](正味の遺産額)>[遺産に係る基礎控除額]

遺産に係る基礎控除額は次のように計算します。
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
Q: 相続人及び法定相続人とはどのような人ですか?
A: 被相続人(死亡した人)と一定の関係にある人が相続人になります。具体的には、配偶者・子・親兄弟姉妹などがあたります。財産を相続できる人は、民法で決められており、 身内なら誰でも権利があるわけではありません。このように、民法で定められている相続権利のある人を「法定相続人」といい、法定相続人には順位があります。順位の後の者は順位の先の者がいない時にはじめて相続人になります。
第1順位 子及びその代襲者
第2順位 直系尊属
第3順位 兄弟姉妹及びその代襲者
なお、配偶者はこの第1−3順位の者と同順位で相続人になります。
Q: まったく想像もしていなかったのですが、葬儀の後、被相続人の“愛人”と“その子ども”が現われ、「全財産は愛人に・・・」            というような内容の遺言書が見つかりました。この場合、家族としてはこれに従わなくてはならないのでしょうか?
A: 相続税法では、遺言書にどう書かれていても、家族には最低限の財産を『遺留分』として保証する制度があります。
遺言書の内容は最優先されますが、民法では、一定の相続人が最低限相続できる財産を『遺留分』として保証しています。遺留分が保証されている相続人は、配偶者、子供、父母です。法定相続人の第3順位である兄弟姉妹には遺留分はありません。
Q: 被相続人には、同居はしていませんでしたが、前妻との間にひとり子供がいます。そして現在の奥さんの連れ子がいるのですが、その子供たちへの財産相続はどうなりますか?
A: 現在の奥さんの連れ子には相続権がありません。血縁関係にない子供に財産を残すには、養子縁組をするか遺言書を残すしかないのです。
内縁の妻や夫、再婚後の配偶者の連れ子などの血のつながらない者は法定相続人になることはできません。ただし、血のつながりがあっても、愛人の子は認知されていなければ相続権が生じません。
養子は、養子縁組の日から実子と同じ身分になりますので、法定相続人になれます。ただし、税法上、法定相続人になれる養子の数は制限があり、実子がいる場合は一人まで、実子がいない場合は二人までになります。
数を制限していないと、基礎控除額を上げて、税率を低くするために養子を何人も取って相続税を安くすることができてしまうからです。
Q: 家族以外の人に全財産が相続されてしまう場合があるのですか?
A: 可能性はあります。遺言書に「家族以外の誰々に全財産を相続させる」といった内容があれば、基本的にそのようになります。なぜなら、「自分の財産をどのように処分しようと、それは所有者の意思であり、 それは生前であっても死後であっても変わらない」というのが現在の法律だからです。しかし、民法では一定の相続人が最低限相続できる財産を「遺留分」として保証しています。 つまり、被相続人がどのような考えであっても、どんな遺言を残したとしても、一定の相続人であれば遺留分の財産は保証されるのです。「遺留分」を相続するには、遺言書により財産を相続した者に「遺留分減殺請求」をしなければなりません。 それは、遺言書により財産を相続した者に、遺留分が保証されてる相続人が内容証明郵便を送ることになります。もしくは、遺産分割の調停・審判か民事訴訟などの手続きをとります。なお、「遺留分減殺請求」ができるのは、相続開始及び贈与または 遺贈があったことを知った日から1年以内です。
Q: 相続の権利がありながら、相続人になれない人がいるのですか?
A: 相続の「欠如」、「排除」にあたると相続の資格があっても相続人になれません。民法では、被相続人や他の相続人を殺害したり、 遺言を取り消させようと脅迫したりした場合、相続人の資格を失わせることになっています。これを「相続欠格」といいます。また、被相続人に対する非行があった者に対して、 被相続人の意思で相続権を剥奪することもできます。これを「相続人の排除」といい、被相続人は家庭裁判所に申請するかまたは遺言によります。「相続人の排除」対象は遺留分を 有する相続人なので、兄弟姉妹以外の法定相続人です。

相続欠如の事由

  1. 被相続人や自分より先順位の相続人及び同順位で相続人になるはずの人を殺害したり、殺害しようとした
  2. 被相続人が殺害されたことを知りながら、そのことを告訴・告発しなかった
  3. 詐欺・脅迫により被相続人に遺言書を書かせた、あるいは遺言書を取消・変更させた
  4. 詐欺・脅迫により被相続人が遺言書を取消・変更することを妨害した
  5. 被相続人の遺言を偽造・変造または破棄・隠匿した

被相続人の排除となる場合

  1. 被相続人を虐待した
  2. 被相続人に重大な侮辱を加えた
  3. その他著しい非行があった
Q: 相続税が課税される財産とはどのようなものですか?
A: 相続税のかかる財産には、現金をはじめ銀行預金・郵便貯金・国債・貸付信託のほか、土地・家屋・株券・ゴルフ場の会員権など一切の財産が含まれます。
また、相続開始前3年以内も被相続人から贈与を受けた財産は、相続財産に加算されます。被相続人の死亡にともない支払われる退職金や生命保険金も、相続財産とみなされ、相続税がかかります。
Q: 相続税が課税されない財産とはどのようなものですか?
A:
  • 墓地、墓石、仏壇、神棚等
  • 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で、一定の要件に該当する者が取得した財産で公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの。
  • 個人立幼稚園等の教育用財産で一定なもの。
  • 心身障害者共済制度に基づく年金受給権相続人が取得した生命保険のうちの一定の金額
  • 相続人が取得した退職手当金等の金額のうち一定の金額等
Q: 相続税の税率はどのようになっていますか?

A: 相続税は、『累進課税』といって相続する財産の額が多くなるほどその分にかかる税率は高くなります。
相続税の税率は6段階に分かれていて,10%から最高50%までとなっています。


速算表参照
    税額=法定相続分に応ずる取得価格×税率−控除額
法定相続分に応ずる取得価格 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円
(例)法定相続分に応じた取得価格が4,800万円の場合
4,800万円×20%−200万円=760万円(相続税額)

(平成15年4月1日現在の法令等によっています)

Q: 相続税の2割加算とはどのような制度ですか?
A: 相続や遺贈によって財産を取得した人が、その被相続人の親、子(子が被相続人の死亡以前に死亡しているため、その子に 代わって相続人となった孫等を含みます)、配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
孫を養子にした場合 の、その養子となった孫についてはこれまでの相続税の2割加算はされませんでしたが、平成15年4月1日以後の相続より被相続人の養子となった孫についても2割加算が適用される ことになりました。
Q: 遺言書がない場合、遺産分割はどうするのですか?
A: 基本的には相続人同士の話し合い「遺産分割協議」で決めます。「誰がどの財産をもらうのか」を決める話し合いのことを 「遺産分割協議」といいます。遺産分割で合意できない場合は家庭裁判所で遺産分割することになります。 遺産分割協議は、相続税の申告期限までに分割協議が終了していないと、税務上優遇措置が受けられなくなるので早めに済ませるようにしましょう。相続人同士でどのように 遺産を分割するかを話し合って全員が納得したら、次に「遺産分割協議書」を作成します。遺産分割協議書は、不動産の相続登記や名義変更などの際にも必要になってきます。 後日の争いを防ぐ効果もありますし、合意内容を明確にすることにもなります。
Q: 遺産分割には、どんな方法がありますか?
A: 遺産分割方法は3種類あります。最も一般的な遺産分割の方法は現物分割です。現物分割は、たとえば、自宅は長男、 預金は次男というように、各相続人がそれぞれ個別の財産を相続する方法です。しかし、被相続人の遺産がたとえば自宅のみの場合などは、現物分割をしようとすると ひとりの相続人しか財産がもらえないといったことがおこり得ます。そこで、遺産分割方法は、次の3種類あります。
  1. 現物分割・・・個々の財産を誰が取得するのかを個別に決める方法
  2. 換価分割・・・相続財産をすべて換金し、相続人に金銭で分配する方法
  3. 代償分割・・・特定の相続人に相続分を超える財産を与え、その相続人が他の相続人に金銭を払う方法
          
Q: 遺言はどのような場合に必要ですか?またどのような効用がありますか?
A: 遺言がない場合には、死亡した人の遺産は、民法で定めるところに従って法定相続人が継承し、相続人が 複数いる場合には、遺産分割協議を経て、各相続人が分割取得することになります。しかし、自分の死後における遺産の分配を、このような相続人の遺産 分割協議に任せることなく自分の意思で行うためには、自分の死亡を停止条件とする贈与契約(死因贈与契約)をその遺産を与えた人との間で締結してお くか、または遺言書を残しておく以外には方法がありません。
つまり、その死亡した人が、死後の財産処分として、民法で定める割合と異なる割合で 個々の相続人に対して遺産を分与したいと希望した場合や、例えば、事業用財産はすべて長男に与え、居住用不動産と預貯金・債権・株式のうちの一部は 配偶者に、残りの財産は長女に与えるなど、個々の遺産の分配について死亡した人の意思を反映させる場合には、遺言により相続分を指定したり、個々の 財産の取得者を具体的に定めるなどしておけば、遺産は遺言の定めに従って分配されることになります。
ただし、一部の法定相続人には、遺留分 という最低限確保できる相続分は保証されています。
Q: 遺言はたとえば痴呆症の人でもすることができますか?また、自筆証書遺言書を代理人に書かせることができますか? さらに、遺言書が2通あった場合にはどうなりますか?
A: 遺言をする時に必要な能力のことを、『遺言能力』といいます。遺言能力のない人が遺言書を書いたとしても、 その遺言書には法的な効力はありません。制限能力者(行為能力が制限されているために、単独では完全な法律行為をすることができない人のこと)であっても、 遺言をする時に意思能力(この場合の意味は、事理を弁識する能力のこと)さえあれば、成年後見人等(判断能力が不十分な成年者のための後見人等のこと) の同意がなくてもできます。したがって、痴呆症の人でも、遺言をする時にこの能力があれば、遺言できます。意思能力の有無に疑問がある人については、 公正証書遺言によるのが妥当と思われます。なぜなら、公証人及び証人がその有無を判断してくれるからです。
なお、痴呆症であって意思能力を欠く状態に 陥っていたとしても、意思能力を一時的に回復している時には、医師2人以上の立会いのもとに遺言をすることができます。その場合、その医師の署名押印 が必要です。
遺言は、遺言者の意思を死後に実現するために行われるものです。遺言制度そのものが、死亡した人の意思をその死後に明らかにして、その意思 にしたがって遺産の分配を法的に保障する制度ですので、遺言者の意思をその死後に確かめることは不可能なことから、遺言書には、本人自身の意思が確実に記載 されることが必要となります。したがって代理人にかかせることは適当ではありません。
遺言書には、いずれの方式による場合でも、必ずその遺言書を作成した 日付を記載するものとされています。日付を記載しない遺言書は無効になります。遺言書が2通以上あったとしても、最後(相続の開始の直前)に書かれたもののみが 有効になります。したがって、遺言書は一生に一度書けば良いという性質のものではなく、状況の変化に応じて書き替えることが望ましいでしょう。
Q: 遺贈により財産を取得した人には、どのような税金がかかりますか?
A: 個人が『相続』や『遺贈』または『死因贈与』によって財産を取得した場合に、各個人が 取得した財産の価額の合計額が「遺産に係る基礎控除額」を超える時に、その超える金額に対して一定の方法により計算した相続税の総額のうち、 その各個人が取得した財産の価額に対応する金額の相続税を納付することになります。それで、遺贈により財産を取得した人は、その遺贈財産が 不動産であり、受遺者が遺贈者の相続人に該当しない場合には、“不動産取得税”が課税されます。その不動産取得税については、その遺言による 遺贈が、包括遺贈に該当する場合や相続人に対する遺贈に該当する場合には、課税されません。なお、“登録免許税”については、遺贈の形態や 受遺者が相続人か否かにかかわらず、課税されます。
Q: 遺言書作成のポイントはありますか?
A: 遺言書は、正式な手順で作成、保存されたものでなければ無効です。遺言書は、大きく分けると「普通方式」と「特別方式」に分けられますが 一般的に使われるのは普通方式です。特別方式は、遭難した船の中で死亡の危急が迫った時などに使われます。さらに、普通方式には3種類あります。
  1. 自筆証書遺言・・・遺言書を残す者が遺言書の全文・日付・氏名を自分で書き、押印することによって作成します。他人の代筆やワープロは無効です。これのメリットは、 その存在・内容を秘密にでき、作成時に費用もかからず簡単にできる点です。しかし、遺言書の紛失や他人による偽造・変造の恐れがあるというデメリットがあります。 
  2. 公正証書遺言・・・公証人役場で公正証書として作成します。2人以上の承認に立ち会ってもらい、遺言者が遺言の内容を公証人に口頭で伝えます。次に、公証人が筆記 したものを遺言者と証人に承認してもらい署名押印します。これは、原本が原則として20年間公証役場に保管され、遺言者には正本と謄本が渡されます。メリットは、その存在・内容が明らかなため、 滅失、隠匿、偽造、及び変造の恐れがなく、また検認手続きの必要もなく簡単に執行できる点です。作成時に手間と費用がかかり、相続人にはわからないので、デメリットもありますが、確実な遺言で あるといえるでしょう。 
  3. 秘密証書遺言・・・封印した遺言書を公証人役場に持参し、その遺言書の存在のみを公証してもらう方法です。これは、署名押印や封印は自分でしなけらばいけませんが、内容の自署は 要件とされていないので、ワープロなどを使っても、代筆をしてもらっても構いません。メリットは、内容の秘密が守られながら、滅失、偽造及び変造などの恐れがないという点です。しかし、 作成時に公証人を利用しなけらばならず、執行時にも検認手続きが必要であるというデメリットもあります。
Q: 遺言書を作成する場合及びこれを執行する場合には、税務上どのような点に気をつけるべきですか?
A: 遺言による財産の処分については、遺贈の内容に応じて相続税や譲渡所得課税が行われることになりますが、 その遺言に基づいて財産を処分した場合には、どのような税金が、誰に、どれだけ課税されるかを試算した上で遺言書を作成するのが望ましいと思われます。 なぜなら、実際に相続が開始し、遺言書に基づいて財産の処分が行われた結果、その受遺者や相続人が遺言の執行により全く予期していなかった税金を負担 しなくてはならないような状況がでてくる場合があるからです。遺言書の内容は、税金面も含めて、あらゆる面から考えて、遺言者の意思の実現性等を充分 に吟味して、よりよいものとする必要がありましょう。なお、遺言書の作成費用や遺言の執行費用は、税務上はいわゆる家事費に該当し、所得税の計算上も、 相続税の計算上も控除することはできません。税法は、改正されますので、遺言書も何年かに一度は見直しをして、改定をする必要性も出てくるでしょう。 このような見直しが必要なのは、税金面からだけではなく、時の経過に応じてその遺言者の財産状態はもちろんのこと、家族等の構成や遺言者の気持ちにも 変化がないとはいえないからです。
Q: 遺言書を見つけたらどうすればいいですか?
A: 遺言書の発見者はすぐにそれを開封してはいけません。遺言書を発見した人または保管している人は、遺言書を家庭裁判所に持って行き、 「検認」してもらう必要があります。ただし、公正証書遺言は、遺言書の原本が公証人役場に保管してありますので検認の必要はありません。
検認とは、その遺言書の偽造や変造を防ぐために、遺言書がどんな紙に書かれているかなどを調べてその存在を確認することです。遺言書の証拠保全手続きのようなものなので、内容が 有効か無効かを問うものではありません。ですから、正式は遺言の形式に合致していない遺言書であっても検認を受ける必要があります。また、封のある遺言書は、家庭裁判所で相続人 またはその代理人の立会いのもとでなければ開封することができません。ただし、家庭裁判所が相続人全員に呼び出しを行えば、開封する日に誰も立ち会わなくても開封できます。
Q: 相続税の申告書の提出期限はいつまでですか?また、その税金はいつまでに納めなければいけませんか?
A: 相続開始の日(死亡の日)の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告します。納付も申告期限と同じく相続が開始した日の 翌日から10ヶ月以内です。また、現金での一括納付が原則ですが、困難な場合、一定の要件のもとで分割納付(延納)や不動産などでの納付(物納)が認められています。
Q: 相続対策といってもどうすればいいのかわかりません。何をすればいいのでしょうか?
A: 相続税は、相続時に残された遺産等に対してかかります。相続対策の必要性を漠然と感じていても、実際に相続が発生したら どれくらいの額の相続税が生じるかを知っておかないと対策のたてようがありません。相続対策の第一歩は現状認識からです。
現状認識においては、どのような種類の 財産をどれくらい所有しているのか、所有する財産の構成と金額を整理することが必要です。不動産においては、測量による面積の確定や、契約書等の整理が必要になります。 また預貯金や株券等についても、どこにどれくらいあるか整理しておくことが必要です。これらは、相続対策としても重要ですが、不慮の事故への対策としても残された相続人に どこにどのような財産があるのか、特に預貯金等については、本人のみしか知らないと後々の遺産分割や納税資金対策においても支障が生じる場合もありますので、その意味に おいても事前の整理は重要です。
そして、所有する財産の構成と金額の整理が終わったら、それらの財産のもとで相続税額がどれくらい発生するかを試算してみます。これにより、 相続税がどれくらい発生するかをあらかじめ把握することが可能になります。この試算は、一度行っても年数が経てば試算の状態や評価が変わりますので、数年に一度の割合で行い、 新しい状態での税額を知っておきたいものです。
Q: 相続対策では、「2次相続を考えて」といわれたのですが、どういうことですか?
A: 夫から妻への相続については、妻の相続した財産が1億6千万円までか1億6千万円を超えていても 法定相続分までであれば相続税はかかりません。しかし、妻から子供への相続については、このような税額の軽減がありませんので妻の財産の全てが 相続税の対象になります。
このため、相続対策は1次対策だけではなく2次相続についても考慮することが必要でしょう。
1次相続から2次相続までの 間がどれくらいかによっても厳密には異なるのですが、将来の相続時期については誰もわかりません。このため、あらかじめ考えられる対策を うっておくことになります。
Q: 贈与税とはどのようなものですか?
A: 個人から年間(1月1日〜12月31日まで)110万円を超える財産をもらったときにかかる税金のことをいいます。会社など法人から財産をもらった時は贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除等により利益をうけた場合なども贈与税がかかります。ただし、死亡した人が自分を被保険者として保険料を受け取った場合は、贈与税ではなく相続税の対象となります。
Q: 贈与税にはいくつか非課税枠があると聞きましたが、どうのようなものですか?
A: 下記のような非課税枠があります
                      
基礎控除
贈与された財産の評価額の合計から、年間110万円控除できます。しかし、住宅取得資金贈与の特例の内550万円まで非課税となる特例の 適用を受けた翌年から4年間は基礎控除以下であっても贈与税がかかります。また、相続時精算課税制度を受けている相手からの贈与についても基礎控除の適用はありません。
配偶者控除(申告が必要です)
婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産の購入資金の贈与が行われた場合に、最高2,000万円までの控除を受けることができます。 この特例は、基礎控除と合わせて受けることができるので、最高2,110万円の住宅または住宅購入資金が無税で贈与できることになります。ただし、申告が必要です。
住宅取得資金贈与の特例(申告が必要です)
親から子へ、祖父母から孫へ、住宅取得または増改築のための資金を贈与された場合、一定の要件を満たせば、550万円までは無税となり、また、1,500万円 までは軽減された税率で贈与税の計算が行われます。
また、親から20歳以上の子への住宅取得資金の贈与について相続時精算課税制度の適用を受ける場合には、3,500万円までの非課税枠があります。
Q: 贈与税がかからないのはどのような場合ですか?
A:
  • 法人からの贈与により取得した財産
    贈与税は個人から財産をもらった場合にかかる税金であり、法人から財産をもらった場合には贈与税ではなく所得税がかかります。

  • 夫婦、親子、あるいは兄弟姉妹などの扶養義務者の間で生活費や教育費に充てるため取得した財産
    ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用のことです。また、教育費とは、学費や教材費、文具費などに充てるための費用です。
    しかし、この非課税となるのは、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税が課税されることになります。

  • 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

  • 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から金品を取得した場合で一定の要件に当てはまるもの

  • 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利を取得した場合
    また、国内に居住する特別障害者が特別障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権の贈与を受けた場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社の営業所を経由して特別障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6千万円までの金額については贈与税が課税されません。

  • 公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が、選挙運動のために金品を取得した場合
    この場合、公職選挙法の規定により報告がされているものに限られます。

  • 個人から香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞などの金品で、社会通念上相当と認められるもの

  • 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与された財産
    この場合は、贈与税の課税対象とはしないで、相続税の課税対象として相続財産に加算することになっています。しかし、相続のあった年の贈与であっても、例外として被相続人の配偶者で、配偶者控除の適用要件を充たす者が、その対象となる居住用不動産等の贈与を受けている場合には、その控除されることになる金額(最高2千万円が限度となります。)に相当する部分について、相続税の申告書に、所定の記載及び書類の添付をすることにより、相続財産に加算せずに贈与税の対象とすることができます。

Q: 離婚して財産をもらった時はどうなりますか?
A: 離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。この場合、贈与を受けたものではなく、慰謝料などの財産分与請求権に基づき給付を受けたものであるからです。
 ただし、次の二つに当てはまる場合には贈与税がかかります。
  • 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の価額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
    (この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。)

  • 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
    (この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。)

なお、土地や家屋などを分与したときには、分与した人に譲渡所得の課税が行われることになります。
Q: 親から金銭を借りた場合でも贈与税がかかる場合もあるというのは本当ですか?
A:  親と子、祖父母と孫など特殊関係のある人の相互間における金銭の貸借は、その貸借が、借入金の返済能力や返済状況などからみて真に金銭の貸借であると認められる場合には、借入金そのものは贈与にはなりません。
 しかし、その借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は、贈与を受けたものとして取り扱われる場合があります。
Q: 父親の所有するマンションに住んでいるのですが、家賃を払っていません。贈与税がかかってしまうのですか?
A: 課税上、親の所有する建物を子供が無償で使用していても問題はなく、家賃相当額について贈与があったと認定されることはありません。
また、親の所有するマンションに子供が居住する場合に、子供が親に家賃を払うこともありましょう。この場合は、受け取った親はたとえ自分の子供からであっても、その家賃収入について、不動産所得の確定申告をしなければなりません。
Q: 贈与税の計算方法と税率を教えてください。

A: 贈与税の計算方法は以下の通りです。
  • 「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。
  • その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。
  • その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
  • その残りの金額に税率を掛けて税額を計算します。
    「暦年課税」
(1)平成4年1月1日から平成14年12月31日までの間に贈与があった場合(以下、速算表参照)。
    基礎控除額の110万円を差し引いた後の金額を当てはめて計算します。
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
150万円以下 10%
150万円を超え 200万円以下 15% 75千円
200万円を超え 250万円以下 20% 175千円
250万円を超え 350万円以下 25% 300千円
350万円を超え 450万円以下 30% 475千円
450万円を超え 600万円以下 35% 700千円
600万円を超え 800万円以下 40% 1,000千円
800万円を超え 1,000万円以下 45% 1,400千円
1,000万円を超え 1,500万円以下 50% 1,900千円
1,500万円を超え 2,500万円以下 55% 2,650千円
2,500万円を超え 4,000万円以下 60% 3,900千円
4,000万円を超え 1億円以下 65% 5,900千円
1 億 円 超 70% 10,900千円
(例)贈与財産の価額の合計が400万円の場合
(400万円−110万円)×25%−30万円=42.5万円(贈与税額)
(2)平成15年1月1日以後に贈与があった場合(以下、速算表参照)。
    基礎控除額の110万円を差し引いた後の金額を当てはめて計算します。
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円
(例)贈与財産の価額の合計が400万円の場合
(400万円−110万円)×15%−10万円=33.5万円(贈与税額)

(平成15年4月1日現在の法令等によっています)

「相続時精算課税」

1.概要
  平成15年1月1日以後に財産の贈与を受けた人は、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。 この制度は、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の価額と贈与財産の価額とを合計した金額を基に計算した贈与税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより 贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。この選択は、受贈者である兄弟姉妹が各々、贈与者である父、母ごとに選択でき、最初の贈与の際の届け出により相続時まで継続して適用され、途中で暦年課税に変更することはできません。 贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

2.適用対象者
  贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(代襲相続人を含む)とされています。年齢は贈与の年の1月1日現在のものです。

3.税額の計算
(1)贈与税額の計算
  相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、他の贈与財産と区分して、選択をした年以後の各年にわたるその贈与者からの贈与財産の価額の合計額を基に計算した贈与税を納めます。
その贈与者の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額2,500万円を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
  なお、相続時精算課税を選択した受贈者が、相続時精算課税に係る 贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を控除し、贈与税の税率表に定める税率を乗じて贈与税を計算します。
   (注)相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、 基礎控除額110万円を控除することはできません。
(2)相続税額の計算
  相続時精算課税を選択した者に係る相続税は、相続時精算課税に係る贈与者の相続時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額 と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。
その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、還付を受ける ことができます。
なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされます。

Q: 相続時精算課税方式と原則課税方式ではどちらが有利ですか?

A: 相続時精算課税制度は、贈与を受けた人が選択すると、その贈与を受けた人が死亡するまで変更できません。そのため、原則課税とするか、特例制度を選択するかは、慎重に判断する必要があります。
2,500万円まで非課税となるのは「贈与税」であり、贈与を受けた2,500万円は相続財産に取り込まれますので、相続税が課税されます。(控除額内であれば、課税されません)原則課税方式による110万円の基礎控除内での長期的な贈与であれば、贈与税は非課税であり、後に相続財産に取り込まれることもありません。
相続時精算課税制度は、贈与を受けた財産が将来的に値上がりするような場合は有利になりましょう。
原則課税方式と相続時精算課税制度の比較
比較 原則課税方式 相続時精算課税制度
税額計算 (贈与税−110万円)×累進税率 (贈与税−2,500万円)×20%
住宅取得資金贈与の場合は(贈与額−3,500万円)×20%
贈与の条件 問いません(誰にでも贈与できます) 65歳以上の親から20歳以上の子供への贈与(住宅取得資金贈与の場合は親の年齢制限なし)
相続税との関係 相続税とは切り離して計算(相続開始前3年以内は加算の対象) 相続税の計算時に精算(合算)されます。精算時の贈与財産の評価は贈与時の時価です。
納税 暦年単位で計算して翌年2月1日から3月15日までに納税 贈与時に一度納税して、相続時に精算します。不足額は追加して納税、超過額は還付されます。
相続税の節税効果 あります。相続税の基礎控除110万円部分は、相続時も3年以内の贈与でなければ、相続税の対象外です。 少ないです。2,500万円の非課税枠がありますが、贈与者の相続時に相続財産に合算され、相続税の前払いとして精算されます。
大型贈与の可能性 多年にわたり多人数であれば可能です。 2,500万円の非課税枠あり大型贈与しやすいでしょう。特に、住宅取得資金贈与の非課税枠は3,500万円です。
制度の移行 原則課税方式から相続時精算課税制度への移行はできます。 相続時精算課税制度を選択した後、原則課税制度への移行はできません。
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