1939年9月ドイツのポーランド侵攻から始まった第二次世界大戦が、
1945年8月に日本の降伏をもって終結してから、67年が過ぎようとしています。
戦艦大和といっても、映画の題名ぐらいに思っている人が多くなっているのではないでしょうか。
今、学びにも、働くことにも、喜びを見出せず、能力の限界に挑戦する意欲もなく、
ひたすら、日々の安定、現状維持を願う若者たちの姿が目に付きます。
確かに、生産年齢人口の減少が加速化し、老人大国となってしまっている日本の若者たちにとっては、
将来の夢や希望を描きにくくなっているのかもしれません。
しかし、安易に生活保護を受けようとする若者がいるという現代日本が、まともであるはずはないでしょう。
「若者たちよ、君達が生きる今日という日は、死んだ戦友たちが生きたかった未来だ」
この言葉が、ほんとうに切なく悲しく聞こえます。
海の藻屑と消えた若者たちの短い人生に思いをめぐらせれば、今ある平和と生命に感謝し、
力の限り精一杯生ききらなくてはならない、と身が引き締まります。
(補足)
八杉康夫(1927〜 )
広島県福山市生まれ。15歳で海軍志願。
17歳で戦艦大和の乗組員になり、沖縄で撃沈されるも生還し、
敗戦まで本土決戦用の陸戦隊員として訓練を受け続けた。
広島の原爆投下で救援活動に行き、被爆者となる。
1955年から戦艦大和探索の資料集めに奔走し、
1985年、第四次捜索で海底の大和に再会。NHKと全貌を映像化。
語り部として現在も、調律事務所、弦楽器工房を経営しながら講演を続けている。