ひらの税理士事務所

石田は無駄をとことん嫌い、無駄なお金を一切使わなかったといわれているが、
これはトヨタの危機の際に累積赤字が蓄積し、銀行に融資を断られたという
苦い思い出があったためであった。
「自分の城は自分で守れ」と、 内部留保をとことん増やして、自前で必要な機械などを買うというやり方を行っていた。
この方針は現在でも受け継がれ、トヨタは「トヨタ銀行」と呼ばれるほど内部留保を多く持っている。
社長在任中は「けち」に徹し、紙も裏まで使い、鉛筆も短くなるまでとことん使ったという。
こうした節約でトヨタは無借金経営となり、現在まで続く優良な財務体質の基礎となった。

危機的状況といわれる現在の日本経済において、この言葉は、 私達の胸を強烈に叩き、本質を突いてくる。 心してそれぞれの城を守り抜かねばならない。


(補足)
石田 退三
(いしだ たいぞう、旧姓澤田、1888年11月16日−1979年9月18日)
現豊田自動織機社長、現トヨタ自動車の社長・会長・相談役。
戦後のトヨタ自動車の建て直しをし、「トヨタ中興の祖」と呼ばれている。