障害者でありながら、学問的にも社会的にも大きな功績を残したヘレン・ケラーは、
ご存知のとおり、幼少の時に重い病気にかかり、視覚と聴覚の両方を奪われた少女時代を過ごします。
そのヘレン・ケラーを生涯、献身的に支えたのが、“奇跡の人”といわれるサリバン先生です。
サリバン先生の人生も大変なものでした。
貧しいアイルランド移民の子として生まれたサリバンは、幼い時の病気がもとで視力が低下します。
9歳で母を失い、結核に冒された弟とともに救貧院に収容され、劣悪な環境の中で唯一の家族であったその弟も亡くしてしまいます。
闇の中で息絶えかけていたサリバンを救ったのが学問です。
14歳にしてはじめて文字を覚え、猛勉強の末に高成績で卒業した後に、ヘレン・ケラーの家庭教師となるのです。
目が見えない、耳が聞こえない、話すこともできない、言葉も知らない7歳の少女に言葉を教え、躾をしていくのですからその苦労は想像を絶するものです。
しかし、サリバン先生はこれをやり抜いていきます。先生とヘレンは二人三脚で猛勉強します。
サリバン先生が授業を聴きつつ手文字で伝えます。すごいスピードでです。
本を読んで手文字でヘレンのてのひらに書いていきます。ヘレンも研ぎ澄まされた五感全体で全てを吸収していったのです。
そしてヘレンはハーバード大学の女子部を卒業して、世界中の体の不自由な人たちを助ける運動を起こすのです。
サリバン先生は、ヘレンに、未来に夢を持ち決して諦めないということを、自分自身の人生を賭して教えたのです。