ひらの税理士事務所

戦略とは、予測力(先見性)であると言われます。

「洪水が来る」と、神の予言を受けたノアは、箱舟を作り、多くの人々にも洪水の危機を説きました。 しかし、耳を傾ける人は誰もいませんでした。 そして本当に洪水が来た時、何の準備もしていなかった人々は、その犠牲になったという話です。 洪水など起こるはずがないと思っていたのでしょう。

サブプライム問題から世界経済は危機状態に陥っています。 この先どうなるのか様々な予測が飛び交っていますが、実際にどうなるのかは誰にもわからない状況です。
その危機の真っ只中にいるはずのアメリカについて、驚くことは、新大統領就任を契機に、危機的状況は峠を越えるとみる経済評論家が多数いると言うことです。
アメリカは、ここ数十年経済危機を経験したことがないため、景気動向を楽観的に考える傾向があると言われています。 大洪水にはならないのでしょうか。

日本でも影響は大きく、衆議院解散も見送られ、緊急の景気対策を取る必要があるとして、種々の政策が講じられているようです。

そのひとつとして定額給付金があります。 しかしかつてバブル崩壊を経験した日本は、当時の首相が経済対策として2兆円減税を実施しました。 景気は回復しなかったため、翌年にはその倍の4兆円の減税を実施しました。しかし結果は同じでした。
今回もその効果を多数の人が疑問視し、単なる選挙対策に過ぎないと言っています。

ノアの箱舟の話は神の言葉を信じなかったことからくる不幸を表しているのでしょうが、神の予言を待つまでもなく、経済状態は、すでに土砂降りの状態に見えます。 洪水の犠牲になる前に一刻も早く船を作って乗り込まなければいけないようです。