由布院
大正時代に油屋熊八氏が私的な別荘(現在の亀の井別荘)を建て、
多くの著名人を招いて接待したことが始まりで、温泉地としての開発がはじまりました。
その後、大正末期にはロマン主義を携え、ドイツ留学から帰国した林学博士 本田静六氏が
ドイツのバーデンバーデン(温泉)に学び、自然を多く取り入れた温泉地づくりを提案し、
現在では全国に名をはせる有名温泉観光地となっています。
乾いた風の心地よい、爽やかな秋晴れの日、由布院を訪れました。
由布院駅から由布見通りを抜け、美術館や雑貨屋が立ち並ぶ、湯の坪海道を過ぎると、そこには金鱗湖があります。
由布院には、他の温泉地とは異なる西洋の雰囲気が
ありますが、金鱗湖周辺にくると、それはよりいっそう色濃く感じられます。
決して華美でなく、趣のある心地の良い和と洋の融合が、この地の魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。
湖畔のテラスでコーヒーを飲みながら、気持ちのよい風と素晴らしい景色に癒され、ほっこりとした気分に浸っているとき、ふと気付きました。
忙しない日常と厳しい現実、様々な悩みを抱え、悶々と過ごすことがあるからこそ、この瞬間を味わえるのだと。そしてそれは、逃げることなく日々の生活に積極的に向かい合う大切さを、改めて思い出させられた瞬間でもありました。
湯布院の調和が、日常と非日常を結び付けてくれたように感じます。
今後も精進。
S.K
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